トヨタ自動車は1月16日、空飛ぶクルマへの参入を検討すると発表した。米国スタートアップで、「空飛ぶタクシー」と呼ばれる電動垂直離着陸機(eVTOL)を手がけるジョディ・アビエーションに3億9400万ドル(約433億円)を出資し、空のモビリティ事業で協業する。

電動で飛行するeVTOLに使われる技術や素材は次世代環境車やコネクテッド技術などとの共通点も多く、トヨタはeVTOLが自動車事業との相乗効果が見込めると判断、新たなモビリティとして注目されている空飛ぶクルマ事業への参入を検討する。

トヨタはeVTOLの設計、素材、電動化の技術開発で協業するとともに、トヨタ生産方式(TPS)のノウハウを共有して、高品質、信頼性、安全性、厳しいコスト基準を満たすeVTOLの量産化を目指す。トヨタはジョディが合計5億9000万ドル(約650億円)を調達した出資ラウンドで、3億9400万ドルを出資してトヨタの友山茂樹副社長がジョディの取締役に就任する。

eVTOLは、渋滞や環境負荷を避けての移動や、過疎地域の輸送手段などに活用することで、さまざまな交通課題の解決につながると期待されている。

トヨタの豊田章男社長は「空のモビリティは、未来のモビリティ社会における人々の移動と生活を大きく変革する可能性を秘めており、空のモビリティの実用化はトヨタ創業以来の夢でもある」とコメント。ジョディの創立者ジョーベン・ビバートCEOは「10億人以上の毎日1時間以上の通勤時間短縮を手助けするという私たちの夢の実現に向け、トヨタのエンジニアリングと優れた製造技術を活用できることを楽しみにしている」としている。