ミライのFCスタックと昇圧コンバーター

 トヨタ自動車は15日、総合化学メーカーのトクヤマと副生水素を利用した定置式燃料電池(FC)発電機の実証運転を開始したと発表した。燃料電池車(FCV)「ミライ」に搭載するFCシステムを使った発電機を山口県周南市にあるトクヤマの徳山製造所内に設置し、同製造所内の電力として使う。トヨタは水素使用量当たりの発電量などのエネルギー効率や発電出力の安定性、耐久性、メンテナンス性などを検証・評価する。

 今回の実証運転は、トクヤマが食塩電解法で苛性ソーダを製造する時に副次的に発生する副生水素をFC発電機の燃料として活用する。長時間安定的に電力を供給するために、定格出力を50㌔㍗とし、発電した電力を徳山製造所内に送る。実証は2022年3月末までを予定する。

 今後、トヨタはFC発電機の普及に向けてFC発電機の出力ラインアップの拡充やエネルギー効率の向上などに向けた研究・開発とビジネスモデルを検討。トクヤマは、副生水素を活用した地域貢献モデル事業の検討を進める。