「ミライ」に搭載するFCスタックと昇圧コンバーター

 トヨタ自動車は5日、中国の自動車メーカーと「連合燃料電池システム研究開発(北京)有限会社」の設立に向けた合弁契約を結んだと発表した。主に商用車用の燃料電池(FC)システムを開発する。今年中の設立を目指す。

 新会社に参画するのはトヨタのほか、中国での合弁先である中国第一汽車集団と広州汽車集団、日産自動車やホンダと合弁を組む東風汽車集団、政府系の北京汽車集団、商用車メーカーの北京億華通科技の合わせて6社。トヨタが65%、北京億華通が15%を出資し、残る4社は5%ずつ均等出資する。新会社はFCスタックや補器類、制御、商用車向け適合開発などを網羅的に手がける。従業員50人でスタートし、2023年までに100人規模まで増やす。

 中国政府は燃料電池自動車(FCV)を次世代車として有力視しており、16年に示した新エネルギー車(NEV)のロードマップ(行程表)に基づき普及に取り組んでいる。「ミライ」など乗用FCVで実績があり、電動化やFC関連の特許を無償提供するなど〝仲間づくり〟を進めるトヨタとしても、中国で幅広く協業先を募り、従来にないオープンな体制で臨むことがFCV普及の近道になると判断した。

 トヨタの寺師茂樹取締役は「新会社はトヨタのグローバルにおけるFCV戦略上、大きな意義を持つ。パートナー各社とのオープンな協業関係を通じ、取り組みを深化させていく」とのコメントを出した。