まちなか移動サービス実証実験の概要

日本総合研究所は、主催するまちなか自動移動サービス事業構想コンソーシアムが、高齢者などを対象に住宅地内外の移動をサポートする「まちなか自動移動サービス」の実証実験を、12月9日から2020年2月7日まで、神戸市北区の郊外の住宅地で実施すると発表した。

実証実験では、オンデマンドによる住宅地内限定の近隣移動サービスを提供し、住宅地から離れた病院、ショッピングセンターなどへの移動には会員制のポータルサイトから募った同乗者とタクシーを共同利用する仕組みを組み合わせる。これら移動サービスの需要や受容性に加え、移動サービス以外の収益源のあり方も含め、地域が主体的に運営する「ローカルMaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)」としての事業性と実現可能性を検証する。

実証実験は神戸市北区筑紫が丘、広陵町、小倉台、桜森町の町内で、住民を対象に実施する。住宅地内の移動サービスでは、借り上げたタクシー車両、電動軽自動車、乗用車を使う。運賃は無料。車両の呼び出しや現在位置確認は会員制ポータルサイトや電話で行う。タクシーの共同利用は会員制ポータルサイト上で募集した同乗者間で料金を均等割りして、1人当たりの負担を下げる。

オンデマンドによる住宅地内の移動サービスについての運行方法、ルート、適正な料金や、タクシー共同利用の需要と受容性、ポータルサイトの使い勝手や機能などを検証する。

1970年代に多く開発された郊外ニュータウンは、入居当時働き盛りだった世代の高齢化が急速に進展しており、自家用車がなければ買い物などの外出が困難と感じる住民が増えている。まちなか自動移動サービスでは、住宅地内での移動サービスと公共交通との連携を通じ、多様な移動手段を用意し、地域内を移動しやすい環境を整備する。