日野自動車の子会社で物流ソリューション事業を手がけるネクスト・ロジスティクス・ジャパンは12月4日、異業種の荷主が幹線を共同輸送する事業を実施すると発表した。異なる荷主の荷物と車両、配送先などの情報から積荷や輸送ルートを最適化して積載効率の最大化を図る。一般的にトラック輸送の積載効率は4割程度だが6~7割に引き上げる。

共同輸送するための幹線輸送スキームを、アサヒホールディングス、江崎グリコ、千代田運輸、トランコム、ユーネットランスとともに構築する。各社はネクスト・ロジに総額1億円を出資する予定。業種の異なる荷主企業、運送事業者、求貨求車サービス企業、車両メーカーが参加する。スキームはオープンで運営し、今後もパートナー企業を増やしていく。

まず12月9日から東西2カ所に拠点を置いて、各社が配送する荷物を集約、東名阪の幹線で共同配送する。車両は
ドライバー1人で大型トラック2台分の荷物を輸送できる専用開発の全長25メートル級ダブル連結トラックを使用する。

荷物と車両の情報から最適パターンで混載し、空きスペースへの積荷をマッチングして積載効率の最大化を図る。荷物の重量やサイズ、輸送頻度といった異なる荷物を混載することで車両の積載可能重量や容積を最大限活用する。異業種の荷主が共同輸送することで、需要時期も異なり、積載率の平準化も図れる見通し。

インターネット通販市場の拡大などで、物流需要が増加する一方で、トラックドライバー不足が深刻化しており、物流危機は大きな社会問題となっている。ネクスト・ロジでは、幹線輸送スキームを提供することでトラックの積載効率の向上して物流問題の解決に寄与していく。