日産のブランド訴求CM
出光「アポロステーション」
ホンダ「フリード」
スズキ「スペーシア」
ダイハツ「タント」
スズキ「ソリオ」
トヨタ「クラウン」
スズキ「ワゴンR」
ダイハツ「ムーヴ」
日産「サクラ」

 CM総合研究所(関根心太郎代表、東京都千代田区)は、2025年1~6月期(2024年12月20日~25年6月19日)の自動車関連CM好感度ランキングをまとめ公表した。日産自動車のブランド訴求CMが首位を獲得し、出光興産が2位、ホンダ「フリード」が3位に入った。「時代を映す鏡」と言われるCMであるが、トップ30入りした今回のCMが〝令和〟のクルマやカーライフを伝える貴重な資料となり、自動車文化の発展に貢献することが注目される。

 日産は、新たなブランドコミュニケーション戦略の発表に合わせて、アンバサダーに起用した鈴木亮平が出演する新CMの放映を開始した。そして5、6月度には2カ月連続の自動車業類首位、さらに5月度には同業類として16カ月ぶりとなる総合トップ20入りを果たした。「出演者」「映像・画像がよい」「宣伝文句」で高い評価を集めた。経営再建の最中にある同社だが、CMについてはユーザーアピールが成功しているもようだ。

 2位の出光は昨秋から俳優の原菜乃華が出演するガソリンスタンド(給油所)「アポロステーション」のCMをオンエア。同社は25年1~6月期に5回トップテン入りし、そのうち首位を含むトップスリーが3回と安定して人気を集め、上位ランクインにつながった。

 3位のフリードは期中に4回ランクインし、そのうち3回がトップスリー。人気バンド、ミセスグリーンアップルの楽曲使用も高評価を後押ししているようだ。

 4位のスズキ「スペーシア」は、1月度に3年ぶりの自動車業類首位を獲得したことをはじめ4回ランクインした。芦田愛菜をはじめとした有名俳優らを起用したストーリー仕立ての内容で好感スコアを伸ばした。

 5位のダイハツ「タント」は期中に5回ランクインし、最上位は5月度の2位だった。俳優の吉高由里子がセンターピラーレスで開口部の広いドアから車内に自転車を積み込むなど、利便性の高さを描いた内容が好評だった。

 またトップテンを見るとクルマのCMが8本を占めたが、このうち軽自動車が5本、小型車が2本となった。高級車はトヨタ「クラウン」のみだった。軽や小型車はファミリーや女性層を意識したモデルが多く、そうしたユーザーに向けた親しみやすい内容のCMが幅広く評価を得ている様子が垣間見られた。