CM総合研究所(関根心太郎代表、東京都千代田区)は、2025年6月度のCM好感度ランキングを公表した。総合ランキングでは任天堂のゲームソフト「マリオカートワールド」が首位を獲得。自動車業類は24カ月連続してトップテンを逃した。

 東京キー5局でオンエアされた全CMを採録・分析するとともに、特約視聴者モニター3千人にCMの印象・商品購買の意向などを聞いた。今回の対象期間の2025年5月20日~6月19日に放映された全CMは2310銘柄(前月比20銘柄減)で、このうち自動車業類は54銘柄(同1銘柄増)だった。

 自動車業類では、日産の企業CMが2カ月連続の首位を獲得。10年ぶりに全面改良したダイハツ「ムーヴ」が圏外から2位に入った。

 CM総研はこれらの中からムーヴに注目した。「ムーブキャンバス」を除くと2017年以来の放映で「青空」篇と「夕空」篇の2本をオンエア。いずれも山下達郎の軽快なサウンドと、まるでレコードジャケットのような永井博の海辺のイラストをバックに走る〝白いムーヴ〟が映える。そして同モデルが初採用したスライドドアを開き、開放感と利便性を強調。「もう一度、心が動き出す。MOVE ON.」のコピーで全体を引き締める。

 支持層は男性が中心で、CM好感要因は「音楽・サウンド」「映像・画像がよい」がスコアを伸ばし、「商品にひかれた」が続く。視聴者からは「懐かしさも感じつつ、色あせないかっこよさを感じた」「軽快な音楽で、いつまでも聴いていられる」「シティポップ調のアニメーションが印象的、懐かしくて新しい」とのコメントが寄せられた。

 ノスタルジックでもあり、新しさを感じさせる音楽と映像。初代発売から30年を迎えたロングセラー車、ムーブのCMは、確実に視聴者の心をつかんだようだ。

(次回は8月8日付)