CM総合研究所(関根心太郎代表、東京都千代田区)は、2025年3月度のCM好感度ランキングを公表した。総合ランキングでは日清食品「カップヌードル」が首位となり、大谷翔平選手を起用した伊藤園「おーいお茶」が前月の49位から7位に浮上した。自動車業類は21カ月連続してトップテンを逃した。

 東京キー5局でオンエアされた全CMを採録・分析するとともに、特約視聴者モニター3千人にCMの印象・商品購買の意向などを聞いた。今回の対象期間の2025年2月20日~3月19日に放映された全CMは2321銘柄(前月比71銘柄増)で、このうち自動車業類は63銘柄(同5銘柄増)だった。

 自動車業類では出光興産の来店促進CMが2ランク上昇して首位。ホンダは「N―VAN(エヌバン)」が圏外から2位にランクインし、「フリード」が3位に入った。CM総研はこれらの中からN―VANに注目した。

 ホンダは販売好調な「Nシリーズ」に新投入した電気自動車「N―VAN:e(エヌバンイー)」のCM放映を開始した。N―VANのテレビCMは、2019年12月度以来5年3カ月ぶりとなる。

 CMでは、ボディーの一部を透明にする演出で、薄型化した大容量バッテリーを車体のセンター下部に配置して広い室内スペースを確保したことを分かりやすく表現した。走行シーンでは、多くの荷物をつめ込んでも坂道をグングン登る映像によって力強さをアピール。「銀河鉄道999」の楽曲と相まって軽快さを伝える。

 免許所有者から幅広く支持され、CM好感要因では「商品にひかれた」「音楽・サウンド」が票を獲得した。「時代の先端を感じた」では総合7位にランクインした。さらにCMに好感を示した14人全員が「試してみたい」と答えた。

 視聴者からは「町中を軽やかに走りぬける姿が印象に残る」「バッテリーのレイアウトや形状が理解できるCMだった」といったコメントが寄せられた。

 「本気で使える電気自動車」というコピーによって、商用利用でも使い勝手が良いことを強くアピールした。今後の販売台数に注目したい。