CM総合研究所(関根心太郎代表、東京都千代田区)は、2025年4月度のCM好感度ランキングを公表した。総合ランキングでは日清食品「カップヌードル」が2カ月連続の首位を獲得。自動車業類は22カ月連続してトップテンを逃した。
東京キー5局でオンエアされた全CMを採録・分析するとともに、特約視聴者モニター3千人にCMの印象・商品購買の意向などを聞いた。今回の対象期間の2025年3月20日~4月19日に放映された全CMは2575銘柄(前月比254銘柄増)で、このうち自動車業類は66銘柄(同3銘柄増)だった。
自動車業類では日産「サクラ」が2022年7月度以来、33カ月ぶりの首位となった。2位はトヨタ「クラウン」、3位はF1(フォーミュラーワン)活動などを題材としたホンダのイメージアップCMだった。
CM総研はこれらの中からホンダに注目。同社は2026年からF1グランプリに再参戦する計画で、聖地・鈴鹿サーキットで25年4月6日に決勝戦が行われた日本グランプリの開催に合わせて、F1やクルマへの熱い思いを改めて訴求する企業広告4作品を展開した。
新作「F1への想い」篇では、コースを疾走するF1マシンや、エンジンを調整するメカニックの「自分が触ったエンジンは誰にも触らせたくない」というナレーション、「世界一になる」との短いキャプションを盛り込んだ映像が鮮烈だ。4作ともラストカットはグローバルのブランドスローガン「The Power of Dreams How we move you.」(夢のチカラで、あなたを動かす)で締める。
男性層を中心に支持され、CM好感要因では「映像・画像がよい」「宣伝文句」「音楽・サウンド」で好評価を獲得。視聴者からは「ホンダの先進技術が良くPRできている」「ホンダの企業イメージアップに寄与するよいCMだと思う」といったコメントが寄せられた。
ホンダらしさとは何か。車種CMと企業のイメージアップを同時に狙い、開発者がものづくりに真摯に向き合う姿勢を前面に出したCMは、商品に対する信頼の向上につながりそうだ。