ダイハツ工業は、中古車のサブスクリプション(定額利用)サービスに参入する。4月に一部の販売会社で試験運用を始め、今秋以降に本格的なサービスを展開する。料金体系は検討中だが、最安で月額2万5千円から利用できるようにする見通し。中古車のサブスクサービスはトヨタ自動車やホンダ、スズキなどが手がける。ダイハツも追従し、多様な金融商品のノウハウを積み上げていく。
任意保険を組み込んだメンテナンスパック付きのリース商品として「ツキノリ」を提供する。ホンダが展開する「マンスリーオーナー」と同様に最短1カ月から利用可能で「長期試乗などに使用してもらうことで中古車や新車の販売につなげてもらう狙い」(ダイハツ)という。
利用できる車両は在庫車の状況によるが「イース」や「ムーヴ」「タント」などの軽乗用車に加え、商用車や「コペン」、福祉車両など幅広くラインアップする考えだ。兵庫ダイハツの神戸店と西脇店で4月に始めた試験展開では、先進運転支援システム「スマートアシスト」を搭載していないイースの場合、最安で2万5千円(消費税込み)から利用できる。9月ごろまで試験的にサービスを提供し、本格展開に備える。
ダイハツの場合、系列販社による残価設定型クレジットの利用率は5年前に約22%だったが、直近では8割近くにまで上昇した。契約満期を迎える車両が増えることを見越し、中古車関連事業をテコ入れしている。サブスクサービスの提供もこの一環だ。このほかにも認定中古車制度の刷新や、業販店も利用できる共有在庫システムなどを通じ、グループの中古車関連事業を強化していく考えだ。