トヨタ自動車は10月9日、電気自動車(EV)専用モデルの「bZ4X」を一部改良して発売したと発表した。内外装のデザインを変更したほか、電池容量やモーター出力を高めて走行性能を大幅に向上。上級グレード「Z」は航続距離746km(FF、WLTCモード)を実現しながら、価格は550万円(FF、消費税込み)からと、従来より50万円安く設定した。エントリーグレード「G」は、従来並みの544km(同)の航続距離を確保しながら、価格は従来モデルよりも70万円安い480万円(FF)とした。国のクリーンエネルギー自動車導入促進補助金(CEV補助金)の90万円を差し引くと300万円台で購入が可能となる。
一部改良では、内外装のデザインを変更。外観では「 ハンマーヘッド」をモチーフとしたフロントデザインを採用した。内装は、インストルメントパネルのデザインを水平基調とし、薄くシンプルな形状に変更した。ディスプレーサイズも14インチに拡大した。パドルシフトは回生ブレーキの強さを4段階で調整できるようにした。
Zでは、電池容量を従来の71.4kWhから74.7kWhに引き上げ、満充電時の航続距離を従来比206km延長した。eアクスルは小型化・形状最適化などにより大幅に出力を向上したほか、従来比でエネルギー損失を約40%削減した。4WDモデルはフロントのeアクスルの最高出力を約2倍に高め、システム最高出力は342馬力を実現。0-100km/hの加速タイムは従来の6.9秒から5.1秒と大きく改善した。エントリーモデルのGは、電池容量を57.7kWhと減らしながら、航続距離は従来モデル並みを確保した。
そのほかにも、電池を10%から80%まで急速充電する時間を最短で約28分に短縮した(150kW充電器)。寒冷地での急速充電時に予め電池を温めて充電速度を改善するバッテリープレコンディショニング機能も搭載した。また、純正ディーラーオプションとして「6kW普通充電器」を設定した。