ルネサスエレクトロニクスは23日、SiC(炭化ケイ素)半導体を手掛ける米ウルフスピードの再建に関連して、約2500億円の損失を計上する可能性があると発表した。ウルフスピード側への預託金の処理に伴うもの。ウルフスピードは、米連邦倒産法11条(チャプター11、日本の民事再生法に相当)適用を近く申請するという。

 ルネサスは2023年、SiCウエハーの長期供給契約に伴い、ウルフスピードに20億㌦(約2920億円)の預託金を提供。その後、昨年10月には修正契約を締結し、預託金の元本は20億6200万㌦(約3011億円)となっている。

 こうした中でウルフスピードは「経営再建へ向けて法的手続きを実施する可能性がある」と5月に発表。これを踏まえて両社間で協議し、ルネサスは預託金の一部をウルフスピードの転換社債(元本総額2億400万㌦=約300億円)や普通株式などとして受け取るとともに、預託金の大半に相当する額を損失処理する見込み。