セーレンは20日、ユニチカの繊維事業を取得すると発表した。岡崎事業所(愛知県岡崎市)で手掛ける自動車内装材用のスパンボンド(SB、不織布)製造事業など、ポリエステル関連の繊維・重合事業を譲受する。今年8月初めに最終契約を締結し、年内の手続き完了を目指す。取得額は非公表。

 事業譲受に向けた基本合意書を同日締結した。ユニチカは2025年3月期決算で2期連続の最終赤字となるなど業績が低迷している。24年11月には事業再生計画を公表し、祖業である繊維事業からの撤退を明らかにしていた。雇用も含めた事業全体の承継、供給網の混乱の低減などを総合的に判断し、セーレンに白羽の矢が立った。

 セーレンは05年に取得した旧カネボウの繊維事業を再生させるなどのノウハウを持つ。今後、岡崎事業所に対して相当規模の設備投資を実施するほか、ケミカルリサイクルの共同開発など、既存事業とのシナジーを追求する方針としている。