セーレンは、自動車用シート材「クオーレ」の生産能力を増強する。約60億円を投じてメキシコとタイの工場に生産ラインを増設する。メキシコでは2026年度中、タイは27年度中に新ラインを稼働させる予定だ。現在のクオーレの生産能力は月間で約300万㍍だが、増設予定の2ラインが稼働すれば約350万㍍へと2割弱、増える見通し。

 タイの現地法人「サハセーレン」のシラチャ工場と、メキシコの現地法人「セーレンビスコテックメキシコ」の工場にそれぞれ約30億円を投じて建屋を新設し、生産ラインを1ラインずつ増設する。山田英幸社長は「グローバルにおいて現地供給体制を整えている。(新ラインで生産したクオーレは)EV(電気自動車)関係を多く手がけるメーカーなどへの供給を想定している」と語った。