ホンダは5月13日、2026年3月期業績見通しが大幅減益になると発表した。売上高は前期比6.4%減の20兆3000億円、営業利益は同58.8%減の5000億円、当期純利益は同70.1%減の2500億円とした。トランプ米政権による追加関税では、四輪・二輪車などで6500億円の影響を受ける見通しだ。

26年3月期の関税影響では、四輪完成車で3000億円のマイナスとなる。対象台数はカナダとメキシコから輸入する53万台と、日本などその他国から輸入する2万台。カナダ・メキシコからの輸入は、米国製部品相当額を控除して追加関税を適用して試算した。そのほか、四輪車部品・原材料で2200億円、二輪車やパワープロダクツで1300億円、合計で6500億円の減益要因となる見通し。

関税影響を軽減するため、日本で生産する「シビック」の5ドアハイブリッド車(HV)を6、7月頃に米国に移管するほか、生産最適化や経費削減に取り組む考えで、関税影響への対策により2000億円の増益効果を見込む。中長期では、米国工場での増産なども検討する。三部敏宏社長は「米工場でシフトを増やすなどの先には設備投資を考えることになる。雇用の確保やサプライチェーンの影響も大きいので、動向を見ながら適切なタイミングで判断する」と話した。

減益要因では、為替影響も大きく、4520億円のマイナスとなる見込み。為替レートは25年3月期から18円円高の1ドル=135円とした。

四輪車販売台数は、中国などアジアの減少により同2.6%減の362万台に設定した。北米はHVの販売増により同1.6%増の168万台を見込む。

25年3月期決算は、売上高が同6.2%増の21兆6887億円、営業利益は同12.2%減の1兆2134億円、当期純利益は同24.5%減の8358億円の増収減益だった。四輪車販売台数は同9.6%減の371万6000台で、欧州と中国を含めたアジアは減少したものの、国内や北米で増加した。