今年2月に発売したヤリスクロスの特別仕様車「Z ウルバーノ」

 4月の車名別国内新車販売(登録車と軽自動車の合計)は、トヨタ「ヤリス」が4カ月ぶりに首位に返り咲いた。2月末の一部改良が追い風となり、販売台数が伸びたもようだ。前月までトップだったホンダ「N-BOX(エヌボックス)」も一部改良や低金利施策などで前年同等の水準を維持したものの、首位はヤリスに譲った。出荷停止で前年同月の台数が低水準だったダイハツ車は反動で大幅に増えた。

 日本自動車販売協会連合会(自販連、加藤敏彦会長)と全国軽自動車協会連合会(全軽自協、赤間俊一会長)が8日に発表した統計をまとめた。上位10車種のうち6車種が前年実績を超えた。特に継続生産車の法規対応が進んだダイハツ車が回復。「タント」は前年同月の4.8倍、「ムーヴ」は29.7倍と大幅に増加した。

 登録車のランキングでは、ヤリスが8カ月連続のトップ。2月末の一部改良で商品力を高めたことに加え、供給も安定しており販売を着実に増やした。一方、トヨタ「シエンタ」は8299台(前年同月比19.7%減)と大幅に減少。「生産枠が埋まってしまった」(東日本のトヨタ系販社幹部)と生産台数の減少が販売減につながったようだ。

 トップ10圏外では、5ドア仕様「ノマド」を追加したスズキ「ジムニー」の登録車が4399台(同2.3倍)と大幅に増加し、15位に浮上した。

 軽のランキングでは、エヌボックスが首位を11カ月連続で守った。エヌボックスのほか、スズキ「スペーシア」などのスーパーハイト系ワゴンの売れ行きが好調だった。ただ、三菱「デリカミニ(「eKシリーズ」を含む)」は4325台(同13.4%減)と新型効果が一服した。

 全軽自協は今後の見通しについて「大きな反動増を見込むのは難しくなる。ただ、近く新型車も発表されると聞いているので、市場の活性化に期待したい」とコメントした。