根強い需要と安定供給が噛(か)み合ったエヌボックス(アウトドア仕様のJOY)

 2024年度の車名別国内新車販売(登録車と軽自動車の合計)は、ホンダの「N―BOX(エヌボックス)」が4年連続で首位だった。根強い需要と安定供給が噛(か)み合い、全車種中、唯一20万台を超えた。24年度は、認証不正や部品不足に伴う出荷停止が頻発し、単月のランキングは変動したものの、年度ベースでは例年通りの顔ぶれが上位を占めた。

 日本自動車販売協会連合会(加藤敏彦会長)と全国軽自動車協会連合会(赤間俊一会長)が4日、車名別販売をそれぞれ発表した。エヌボックスは前年度比3.5%減の21万768台。23年秋の全面改良から1年以上が経って売れ行きはやや鈍ったものの、完成度や再販価値の高さが支持され、安定した人気を保っている。

 2位はトヨタ自動車の「ヤリス」で、こちらも4年連続だ。「ヤリスクロス」の出荷停止などで上期(4~9月)は販売を落としたが、10月から巻き返した。ただ、首位のエヌボックスとの差は3万8849台。前年度と比べ4千台ほど差が広がった。3位にはSUV仕様が好調なスズキ「スペーシア」が浮上した。

 ダイハツ工業「タント」も下期(10月~25年3月)にマイナス幅を縮めた。上期は出荷停止によって前年同期比26.3%減と落ち込んだが、年明け以降に受注残の解消が進み、通年では前年度比2.0%減に踏みとどまり、前年度と同様、5位に入った。

 登録車ランキングではヤリスが5年連続の1位。トヨタの上級ミニバン「アルファード」が供給台数の増加に伴い、同約7割増と伸び、前年度の17位から6位に上がった。

 軽のランキングでは、エヌボックスが10年連続の首位を達成した。軽の電気自動車(EV)の日産自動車「サクラ」は同38.9%減の2万832台。発売から3年弱が経ち、初期需要が一巡したためとみられる。

 3月の総合ランキングではエヌボックスが3カ月連続の首位。2位はヤリスだった。出荷停止によって前年同月の台数が大幅減だったダイハツ車は反動で軒並み増えた。