スカイアクティブZの概要を説明する廣瀬一郎専務執行役員

 マツダは18日、開発中の新型ガソリンエンジン「スカイアクティブZ」をストロングハイブリッド車(HV)専用エンジンとして市場投入する方針を明らかにした。既存の排気量2.5㍑エンジンを活用することで「スカイアクティブX」と比べてコストを削減するとともに、大排気量化とストロングハイブリッド化で環境性能を高める。一方、直列4気筒のディーゼルエンジンを廃止する方針も明らかにした。ディーゼルをはじめ、将来的にエンジン仕様数を現在の半分以下に減らすという。競争力のあるエンジンに経営資源を集中させ、各国・地域の環境規制対応と販売拡大を目指す。

 技術説明会でスカイアクティブZの概要を説明した。現行のスカイアクティブXでは理論空燃比の2倍ほど新気が多いリーンバーン(希薄燃焼)を用いていたが、Zでは大量のEGR(排ガス再循環)で新気の量を減らし理論空燃比の燃焼とリーンバーンを両立する。これにより、三元触媒を幅広い領域で使用できるようになり、今後、規制が厳しくなる排ガス性能を改善できる。点火方式はXと同様にSPCCI(予混合圧縮着火)を採用する。

 このエンジンに独自のパラレル方式のハイブリッドシステムを組み合わせ、2027年から「CX―5」を皮切りに商品展開を始める。Xの場合は低電圧システムのマイルドハイブリッドだったため、電動ユニットのコストは上昇する見通しだが、既存エンジンをベースにすることなどで「競合車と比べても十分、選択肢に入るような価格で提供できる」(廣瀬一郎専務執行役員)という。

 一方、ディーゼルはラージ商品群に搭載する直列6気筒に集約する。マツダはこれまで「一括企画」をはじめ、効率の良い開発手法を採用し、中堅メーカーながらエンジンを含めて幅広い仕様を展開してきた。ただ、適合開発の工数が増加していることもあり、エンジンの仕様数を減らして経営効率を高める。