万博で未来の眠りの提案している
スマート道路灯でも協賛している
万博に期待する貝沼会長

「大阪・関西万博」では、未来のモビリティ社会での活用も見込まれる先端技術が多数、披露されている。出展しているミネベアミツミの貝沼由久会長CEO(最高経営責任者)に、狙いや今後を聞いた(取材は万博開幕前)。

ーベッドセンサーシステムとして、非侵襲・非接触で体験者のバイタルデータを取得したり、快適な眠りに導いたりするソリューションを紹介している

「パソナグループがウェルビーイングをコンセプトに出展するとのことで、まさにマッチするものとしてシナジーを期待し、出展を決めた」

「センサーに代表される当社の超精密な技術を世界に発信し、また認知度を高めていきたいという狙いもある。社員自身やご家族にも、このパビリオンやほかの展示も体験して、知見を広めてもらいたい」

ー技術の実装は近いか

「呼吸のデータを取るのは比較的早くできるようになったが、心拍は難しかった。それもめどが立ち、完成度はかなり高くなってきた。身体の状態に合わせた音や香り、振動で、良質な睡眠と快適な目覚めを疑似体験できるデモも披露している。こうした要素技術を生かした商品を秋ごろには発表したい」

「また、一般の商品と医療では、求められる完成度が違う。ほかの開発でもそうだが、医療の世界に向けては、特にラストワンマイル(最後の一歩)が難しい。チャレンジングな仕事だ」

ー万博開催自体にはさまざまな意見もある

「世界との交流や技術の発信、経済効果、インバウンドへの期待などの一方で、今の日本の置かれている状況にマッチするのかどうか、という意見はあるだろう。ただ、開催するからにはとにかく成功してほしい。幸い、当社の出るパビリオンは、iPS細胞の話題もあって注目度が高く、予約が非常に好調だ」

 

同社はほかにも、会場内で道路などを明るく照らすスマート道路灯で協賛している。会場全体をスマートに照らし、上空に光が漏れないという特長を生かして、万博の照明を支援している。また、イベントや展示会に活用される「ギャラリー」では、同社のスマート照明「SALIOT(サリオ)」で協賛。スマートフォンでライティングの変更が可能で、大掛かりな作業が不要になることから、効率的な会場運営を後押している。

(編集委員・山本 晃一)