自動運転向け高精度3次元地図(HDマップ)を手がけるダイナミックマッププラットフォーム(DMP)は27日、東京証券取引所のグロース市場に上場した。初値は1530円で公開価格を27.5%上回った。

 DMPは政府の支援を受けてトヨタ自動車やホンダなどの国内自動車メーカー10社などが出資し、自動運転用のHDマップを整備するために設立された。現在、日本以外にも北米、欧州、中東、韓国に拠点を持ち、26カ国で事業を展開している。

 自動運転技術とともにHDマップ事業の成長を狙っていたが、自動運転車の普及が当初想定より遅れているほか、自動運転や先進運転支援システム(ADAS)の実現には高性能カメラなどのセンサー類を活用する傾向が強まるなど目算に狂いも生じている。

 DMPでは引き続き自動運転向けHDマップ事業を国内外で強化するとともに、インフラ維持管理システムや防災・減災システムなどでのHDマップ活用など、用途拡大を図る。「現実世界をデジタル空間に複製する高精度3次元データのプラットフォーマーとして、さまざまな産業分野でのイノベーションを支える」としている。