キオクシアホールディングス(HD)は18日、東証プライム市場に上場した。初値は1株1440円と売り出し価格(1455円)を下回ったものの、後場で盛り返し、1601円で着地。時価総額は約8630億円となった。
取引終了後に会見した早坂伸夫社長は「上場企業グループとして新たな一歩を踏み出すことができた。今後もAI(人工知能)をはじめとしたデジタル社会の進歩に不可欠な製品を提供していく」と語った。
会見の主な質疑は次の通り。
―時価総額は(2020年の上場申請時に想定した2兆円から)半値以下となった。企業価値をどう高めるか
早坂社長「技術力や生産能力には自信を持っており、これをバネに企業価値向上に努めたい」
―NAND型フラッシュメモリー専業で単独で戦っていけるのか
早坂社長「将来の戦略的なことは社内で検討しているが、今ここで話せる明確なことはない」
―過去に統合計画が持ち上がった米ウエスタン・デジタル(WD)との関係は
早坂社長「(WDとの統合は)正式に発表したものではない。現在進んでいることは全くない」
―調達資金の使途は
花澤秀樹専務執行役員財務統括責任者「営業キャッシュフローをもとに設備投資に取り組むのが基本だ。調達資金はこれを補完するものになる」
―AI以外で需要につながるアプリケーションは
早坂社長「NAND需要ではスマートフォンやデータセンターがメーンだ。これに匹敵する新市場は今のところないが、小さいところでは自動車やカメラ向けがある」
―上場が日本経済にもたらす意義は
早坂社長「日本発の技術を育て上げ、ここまできたというポジションは経済安全保障の観点からも良い状況だ。政府からも支援を頂いている。そのぶん強くなりたいし、その自信もある」