独ロバート・ボッシュは8月1日、米ジョンソンコントロールズインターナショナル(JCI)が持つ住宅・小規模商業施設向けのHVAC(暖房・換気・空調)事業の買収が、予定通り7月末で完了したと発表した。日立製作所とJCIの合弁であるジョンソンコントロールズ日立空調も対象になる。ボッシュは買収を通じ、住宅および小規模商業施設向けのHVAC市場で、世界最大級のサプライヤーとなる見込み。買収額は80億ドル(約1兆2000億円)で、ボッシュとして過去最大規模の買収としている。
日本では、引き続き日立ブランドのもとで日立ルームエアコン「白くまくん」を開発・製造し、日立グローバルライフソリューションズで販売・サービスを担う。
買収後、ボッシュホームコンフォート・グループの規模はほぼ倍増し、従業員数は2万5000人以上、売上高は80億ユーロ(約1兆3600億円)超を見込む。同社は地球温暖化などによる世界的な冷房ニーズの高まりで市場の需要急増が確実とみており、市場を上回る成長を目指す。買収では、特に米国やアジアでのプレゼンスを大きく向上させることができるとしている。
シュテファン・ハルトゥング取締役会会長は「業界全体が激動の時代にあり、市場と技術は変化している。この機会を体系的に生かし、HVACソリューション事業において、トップクラスの企業へと躍進する」とコメントした。