東京海上ホールディングス傘下の東京海上日動火災保険と東京海上日動あんしん生命保険は2月21日、両社から三菱UFJ銀行に出向していた複数の社員が、出身母体や子会社含め3社に情報を漏えいしていたと発表した。漏えいされた情報は同行とその取引先や関係企業のもの。個人情報と法人情報の合算で約3万8000件あった。競合他社の情報もあった。自社の営業方針策定や火災保険のシェア計算などに使っていた。

内訳は、東京海上日動が法人顧客28社分の情報。同行の連携先法人の商品やサービスが含まれたものだという。各社ごとの情報件数は非開示としている。情報漏えいは、20年4月から24年3月までに行われていた。

あんしん生命は、個人顧客3万7843人分、法人顧客8社分。20年4月から24年4月までの間に行われていた。

個人情報は「識別番号」などで、住所など個人が特定される情報ではなかった。現時点では漏えい先の3社以外への流出は確認されていないという。

東京海上日動など損害大手4社の大規模な情報漏えいは、24年5月以降に表面化した。合計で約250万件の情報漏えいがあったことを24年8月に公表している。事態を重く見た金融庁は、4社に対して7月と11月の2回にわたり報告徴求命令を出して、実態を調べており、行政処分が出るかどうか注目されている。

生保業界でも情報漏えいが発覚し、大きな問題になっている。