損害保険ジャパンと三井住友海上火災保険の出向者による新たな顧客情報の漏えいがあったことが分かった。それぞれ、出向先の保険代理店の顧客情報を出身母体の損保会社に漏らしていた。
東京海上日動火災保険でもFPパートナー(黒木勉社長、東京都文京区)に出向していた社員が21年3月から23年10月にかけて、契約情報約3万5千件を漏えいしていたことが発覚。損保各社では同様の不祥事が相次いでいる。事態を重くみた金融庁では7月22日に、あいおいニッセイ同和損害保険を含む大手4社に保険業法と個人情報保護法に基づく報告徴求命令を出している。
今回判明した情報漏えいは、15日に保険代理店の銀泉(成田学社長、大阪市中央区)と三井物産インシュアランス(福田英之社長、東京都千代田区)が公表。銀泉によると、損保ジャパンからの出向社員が23年4月以降、約900人の顧客情報を損保ジャパンに漏らしていたという。この情報の中には、保険契約者の名前や保険会社名、保険料などが含まれていた。漏えいは複数回にわたって行われ、損保ジャパンからの要請があったという。情報の2次漏えいは確認されていない。
三井物産インシュアランスでは、三井住友海上からの出向社員が法人顧客の契約情報を同社に伝えていた。48社の70契約に関する情報が漏れ、保険会社の担当者の名前や連絡先も含まれているという。現時点で個人顧客の情報の漏えいや2次漏えいなどは確認されていない。
漏えいした顧客情報に自動車保険の情報が含まれているかどうかについて、損保ジャパンと三井住友海上の広報担当者は「詳細を確認しており、現時点では答えられない」としている。