韓国・サムスンSDIは、ソウルで開かれた展示会で電気自動車(EV)など向けの全固体電池の量産化に向けたロードマップ(行程表)を明らかにした。2027年から量産を始める。パイロットラインは23年に水原(スウォン)市にある研究開発センターに設置しており、現在、試作品を出荷している。

 開発中の全固体電池は、エネルギー密度が1㍑あたり900㍗時。すでに生産している同社製リチウムイオン電池「P5」に比べ、エネルギー密度が4割高い。9分の充電で電池残量を8%から80%まで回復できる。20年以上持つ長寿命バッテリーという。

 日本の自動車メーカーも、全固体電池を開発中だ。トヨタ自動車は出光興産と全固体電池の量産で組む。固体電解質を共同開発し、出光で量産実証を行う。28年までの実用化を目指す。

 日産自動車は24年度までに横浜工場(横浜市神奈川区)にパイロットラインを導入し、28年の実用化を目指す。ホンダも20年代後半に全固体電池の搭載モデルを発売する計画だ。