ダイヤモンドエレクトリックホールディングスは24日、アンモニアなど次世代燃料エンジン用の「超高エネルギー点火システム」の開発で一定の成果を得たと発表した。点火コイルの放電エネルギーと電流特性を自由に変えられる特性を持たせ、より高いアンモニア混合率での安定燃焼を確かめた。一定条件下ならアンモニア専焼も可能だ。同社によると、レシプロエンジンのアンモニア専焼は世界初という。今後、燃焼特性などの確認を進め、2024年3月にも試作品をつくる考えだ。
アンモニアは燃焼時に二酸化炭素(CO2)を出さないものの着火しにくく、安定燃焼には非常に高いエネルギーの火花放電が必要だ。同社は18年、グループ会社のダイヤモンド電機内に「A―Lab(燃焼ラボ)」を設立。アンモニアや水素に関する基礎研究を始めた。これらの研究成果を元に「超高エネルギー点火システム」の開発に着手。従来製品に比べ6倍以上の点火エネルギーを持つ点火コイル技術と、1千分の1秒レベルのマルチ点火技術を組み合わせ、従来比で12倍以上の点火エネルギーが出力可能な装置を車体に搭載可能なサイズに収めた。リーンバーン(希薄燃焼)エンジンにも応用可能だ。
今回の開発成果は、自動車技術会の「2023年春季大会」学術講演会セッションで論文発表する。