日野自動車は27日、広範囲でクルマづくりに関わるプロダクトオーナー(PO)の新設や組織のスリム化、責任の明確化などを柱とする新たな執行体制を発表した。エンジン認証不正問題を踏まえた「3つの改革」を確実に進める狙いがある。2023年2月1日から移行する。

 事業軸と機能軸を組み合わせた組織体制とする。「チーフエンジニア」から名称を改めたPOが、車種ごとに商品企画から開発、生産、販売、顧客の稼働支援まで関わる体制とする。

 本部・領域制の廃止と部の統廃合など階層も減らす。各機能に責任者(CxO)と機能長を置き、責任の所在を明確化する。現体制で約60人いる副領域長以上の役職者をCxOと機能長を合わせ18人に減らす。「経営」「組織風土」「クルマづくり」の3つの改革を進めるため、全社改革をけん引する最高変革責任者(CTrO)と専属組織の「変革断行室」も設置する。

 小木曽聡社長は最高経営責任者(CEO)として改革を主導するほか、最高人事責任者(CHRO)も兼務する。

 26日には、本社に隣接する日野工場(東京都日野市)の敷地の約3分の1に当たる約11万4千平方メートルの売却も正式に発表。23年3月に契約を結ぶ予定だ。

 日野工場の生産機能は古河工場(茨城県古河市)にほぼ移転しているが、一部の部品工程など全ての移転が完了するのは25年の見通し。工場敷地の残り、3分の2については、売却を含めた活用策を引き続き、検討する。