日本自動車連盟(JAF、坂口正芳会長)は、警察庁と合同で実施したチャイルドシートの使用状況に関する全国調査の結果を公表した。コロナ禍を受け2020年、21年は調査を中止しており、実施は3年ぶり。6歳未満の子どものチャイルドシートの使用率は74・5%と、過去最高を更新した一方、正しく着座できていないケースが依然として多い実態も浮き彫りになった。

 調査は今年4月22日から6月30日にかけて、全国99カ所で実施。1万3110人を対象とした。02年の調査以来、最も高い水準となった6歳未満の子どもの使用率は、19年の前回調査を4・0㌽も上回った。都道府県別では愛知県が90・9%で最高となったほか、26道県が全国結果を上回った。設置位置は助手席が16・4%、後部座席が83・6%だった。

 使用率を年齢層別に見ると、1歳未満は前回比1・9㌽高の89・9%に。1~4歳は同4・3㌽高の76・7%、5歳では同5・5㌽高の53・5%。いずれも過去最高の水準だったものの、JAFでは「子どもの年齢が高くなるにつれて使用率が低下する傾向は例年と変わらない」としている。

 8地域16カ所で420例を対象とした取り付け状況に関する調査では、取扱説明書の通りに正しく取り付けられていた割合が65・2%にとどまっている実態も分かった。このうち乳児用は72・2%、幼児用が58・6%。正しく取り付けられていないケースでは、乳児用、幼児用ともに6割ほどが「腰ベルト(シートベルト)の締め付け不足」に該当した。

 626例を対象とした着座状況に関する調査では、正しく着座していた子どもの割合は49・5%と、全体の半数を下回る結果となった。このうち乳児用は54・1%、幼児用は41・4%、学童用は53・4%だった。誤った利用例として、乳児用や幼児用では「ハーネス(チャイルドシートの子ども用ベルト)の締め付け不適正」「ハーネスの高さ調整間違い」「ハーネスのよじれ・ねじれ」、学童用では「体格不適合」や「肩ベルトの通し間違い」「座席ベルトのよじれ・ねじれ」などが目立った。

 不適切な取り付けや使用状況がいまだ多いとの結果を受け、JAFは「引き続き子どもの車内での安全を守るため、適正なチャイルドシートの使用に関する啓発活動を積極的に進めていく」方針だ。