ヤマハ発動機は、物流向け産業用無人ヘリコプターを開発したと発表した。運搬機能を強化した仕様で、有効積載量は従来モデル比15㌔㌘増の最大50㌔㌘に引き上げた。山間部の資材物流や目視外長距離物流など、さまざまな物流シーンでの活用を提案し拡販を目指す。

 ベースは「FAZER(フェーザー) R G2」で、大型メインローターを新設計して推力を向上した。ローター半径をベース機比15%増の1.8㍍に大型化するとともに形状を変更し冷却性を改善。これらによって同じエンジン出力ながら有効積載量で10㌔㌘相当、推力を高めた。有効積載量は燃料タンク容量の最適化、軽量カメラやリチウムイオンバッテリーの採用などで拡大した。これにより重量1㌧分の資材を運ぶ場合、最少フライト回数を従来機の29回から20回に減らせるという。

 産業用無人ヘリコプターを用いたソリューションは、送電線をはじめとするインフラ点検や、測量・観測、撮影、警備など幅広い産業シーンに広がっている。特に近年、物流課題の解決でも活用の期待が高まっており、さまざまな領域で社会実装に取り組まれている。

 同社は、すでに電力会社の委託によって送電線関連資材の搬送などを実現した。加えて航空会社との協働による離島からの産品搬送、宅配会社との協働による中山間部への荷物配送など、社会実装に向けた各種取り組みを進めていく計画だ。