天然繊維コンポジットで成形したボディーカウルと、サステイナブル素材を採用したレーシングタイヤ

 モータースポーツをカーボンニュートラルに向けた実験の場に―。国内最高峰のフォーミュラカーレース「スーパーフォーミュラ」を主催する日本レースプロモーション(JRP、上野禎久社長、東京都千代田区)は、2022年シーズンにカーボンニュートラルに寄与する技術を搭載したマシンが参戦すると発表した。環境に配慮した素材、タイヤ、燃料をレーシングマシンに実装し、レースを通じてテストする。

 素材では、麻をなどの天然素材を活用したバイオコンポジットを開発する。レースマシンに使われている炭素繊維複合材(CFRP)と同等の剛性と重量を確保しながら、二酸化炭素(CO2)排出量を約75%削減できるスイスのBcompが持つ軽量化技術を採用する。段階的に適用範囲を広げていく。

 タイヤは、横浜ゴムが植物由来の配合剤や廃タイヤから再生したゴムなど、サステイナブル素材を採用したレーシングタイヤを開発。米の籾殻(もみがら)から生成したシリカ、アブラヤシの実やオレンジの皮から生成したオイルなど自然由来の配合剤を活用する。廃タイヤから再生したゴムなども再利用する予定だ。

 燃料は、スーパーフォーミュラにエンジンを供給するトヨタ自動車、ホンダと連携し、合成燃料「eフューエル」やバイオフューエルといった複数のカーボンニュートラル燃料をテストする。

 今回の取り組みは、JRPが昨年10月に発表した持続可能なモータースポーツ業界づくりを進める新プロジェクト「スーパーフォーミュラネクスト50(ゴー)」の一環となる。