電動キックボードなどの安全基準づくりを急ぐ(一部の実証実験ではヘルメット未着用での走行を許可)
「新たなモビリティ安全対策ワーキンググループ」の会合の模様

 国土交通省は「電動キックボード」をはじめとする新たなモビリティの安全性の確保を狙い、車両技術基準の策定に向けて本格的な議論をスタートした。こうした〝小さな車両〟には現在、歩行者に準ずると認められるもの以外、公道を走行する場合に原動機付自転車の保安基準を適用している。しかし、ここ数年台頭してきた新たなモビリティは双方の要素を併せ持つため、「小型低速車」という新しい車両区分を設けて最適な安全基準の具体化を目指す。国交省は早期に検討を進め、2021年度内にも新たな保安基準と型式認定制度の骨子を固める考えだ。

 小型低速車の安全基準は、国交省の車両安全対策検討会に新設した有識者会議「新たなモビリティ安全対策ワーキンググループ」で詳細を詰める。現在、小型低速車の公道走行には「道路運送車両法」に規定されている原付車両としての保安基準を満たす必要がある。このため方向指示器やバックミラー、制動灯などに加え、市区町村で交付されたナンバープレートを装着する必要がある。

 しかし、電動キックボードなどは、最高速度や車体サイズが一般的な自転車に近いものが少なくない。現状の制度では規定しにくい車両の特徴や特性を踏まえ、安全走行に必要不可欠な新たな基準づくりが必要と判断した。今後、原付の保安基準を土台にして、小型低速車に必要な安全基準を検証していく。また、そもそもどのようなタイプの車両を小型低速車として区分していくかの検討も併せて行う計画だ。

 すでに警察庁では「道路交通法」に基づき、小型低速車に適用する交通ルールを検証し今春、中間報告書をまとめた。国交省でも車両側の保安基準を早期に固めていくことで、小型低速車の普及を目指す政府目標の実現にも取り組む。新たなモビリティの安全運行にかかわる環境整備やユーザーの意識改革にもつなげることで、一般車両や歩行者が巻き込まれるなど一部で社会問題化した電動キックボードによる危険運転などの課題解決も図っていきたい考えだ。