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 欠陥エアバッグ問題で経営破綻したタカタの事業を引き継いだジョイソン・セイフティ・システムズ・ジャパン(JSSJ、岩満久好社長、東京都品川区)は18日、彦根製作所とフィリピン子会社でのシートベルトのベルト部分(ウェビング)の試験データを改ざんしていた問題で、回収品の調査や再現検証の結果、規格を満たしていることが確認されたと発表した。

 同社によると、検査で不合格となった試験結果を改ざんしていたが、耐摩耗性、難燃性、耐光性、染色堅牢度の4項目について不正確な試験が行われていたことが原因で不合格になっていた可能性が高いとしている。同社では品質を再検証するため、データを改ざんしていたウェビングを組み込んだシートベルトを市場から回収して検証した結果、不合格品は出なかったという。また、自動車メーカーから車両衝突安全性に問題はないことが確認されたという。

 試験データの改ざんは昨年4月30日に内部通報窓口に通報があり、6月中旬に試験結果を記載するウェビング検査月報に数値データの書き換えが判明した。これを受けて10月に監査役や弁護士などによる調査委員会を設置し、過去20年分の生産・試験データの検証や関係者へのヒアリングなどを行った。

 彦根事業所では2000年1月~20年1月までで966件、フィリピンでは01年1月~15年1月までで34件のデータが改ざんされていた。

 同社では再発防止のため、製造機能と品質管理機能を分離するなど経営体制の見直しや試験結果を自動的に記録する測定機器を導入する。岩満社長は3か月分の月額報酬を10%減額する。

 一方、対象製品を採用していたホンダは、JSSJから提供を受けたウェビングの試験データを基に安全性を検証した結果、品質に問題がないことを確認できたためリコールの予定はないとしている。