自動車技術会(自技会、寺師茂樹会長)は、自動車技術のオンライン展示会「人とくるまのテクノロジー展2021オンライン」を26日に開幕した。新型コロナウイルス感染防止の観点から横浜会場での実地開催は2年連続中止となったものの、オンライン開催とした今回は447社が出展。自動車業界が直面するCASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)対応やカーボンニュートラルの実現に寄与するさまざまな最新技術やソリューションが提案されている。

 午前10時からのサイトオープンに先立ち、午前8時半に公開された基調講演ではソニーグループの川西泉執行役員が「ビジョン―Sプロジェクト:ソニーのモビリティに対する取り組み」と題し、現在開発中の電気自動車(EV)の試作モデル「ビジョン―Sプロトタイプ」について紹介した。

 基調講演に自動車メーカー以外の企業を招待するのは初めて。川西執行役員は「モバイルに続くメガトレンドはモビリティになる」と指摘。その上で「モビリティの進化に向けてソニーはどんな貢献ができるのか、深く探索すべきではないかとの考えに至り、ビジョン―Sプロジェクトをスタートさせた」とし、新しいモビリティを提案するまでの経緯を披露した。また、「ソニーはモビリティのIT化を推進していく」とも語り、「車とIT技術を融合させた従来とは異なるアプローチで、ソフトウエアを起点に車をデザインしたい」と強調した。

 初のオンライン開催となる今年は、電動化や自動運転などCASE対応技術はもとより、カーボンニュートラルの実現を見据えた水素関連技術、産業構造の変革を見据えた新たな車両設計、計測技術などが紹介されている。期間は7月30日まで。