電動モーターユニット

 ヤマハ発動機は26日、自動車向け製品・技術のコンセプトブランド「alive(アライヴ)」を立ち上げると発表した。新開発のサウンドデバイスをはじめ、電気自動車(EV)向け電動モーターユニットやショックアブソーバーなど4つの製品を設定し、自動車メーカーのニーズに沿って適合開発する。同社は四輪車事業への参入を断念したが、モーターやエンジンの開発で培ってきた四輪車関連技術の知見を生かせる分野での新規事業を創出する。

 26日に開幕した「人とくるまのテクノロジー展2021オンライン」で発表した。

 同社は主力の二輪車と並行して自動車に関する技術研究や開発に取り組んできた。2018年には、採算性が見込めないことなどを理由に、四輪車事業への参入を断念した。ただ、四輪電動車向け高性能電動モーターユニットの試作開発受託事業を開始するなど、自動車関連企業向けに技術供与する事業などを本格化している。自動車用エンジンの開発や生産技術などで蓄積してきたリソースを有効活用して四輪車向け製品の供給を目指す。

 新しいコンセプトブランドには4つの製品をラインアップする。新開発のサウンドデバイス「アライヴAD(アコースティックデザイン)」は楽器関連製品で知見を持つヤマハの技術を採り入れた。電気自動車(EV)や内燃機関搭載の車向けに適用でき、音源のチューニングにより最適なドライビングサウンドを演出する。

 電動モーターユニット「アライヴEE(エレクトリックエンジン)」は、さまざまな出力帯のモビリティに搭載できる。350㌔㍗電動モーターユニットはギアとインバーターを一体化し、最大電圧800㌾での使用が可能。車両に複数基搭載を想定し、4輪トータルで最大1・47㍋㍗の出力を発揮する。このほか、ショックアブソーバー「アライヴET(Ex―TRAS)」や既存製品のパフォーマンスダンパーも同ブランドに加える。