実証実験車両

 豊田自動織機は30日、自動運転の「レベル3」技術を搭載したトーイングトラクター(けん引車)を来年10月に発売すると発表した。「レベル3」は一定条件下で自動走行し、非常時には運転者が操作介入する。空港などのほか、工場や物流施設などに売り込む。

 トーイングトラクターは、主に空港内で貨物を搭載したコンテナをけん引する車両。同日、国家プロジェクトの一環として全日本空輸(ANA)と羽田空港で実証事業を行った。同プロジェクトは2018年度から始まり、これまで佐賀空港や中部国際空港での実証を済ませた。今回は、空港内を多くの関係車両が行き交う羽田空港で量産を前提とした車両の実証に臨み、実用性などを確かめた。現在はレベル3だが、25年には「レベル4」(遠隔操作型)車両の運用を目指す。

 豊田自動織機が来秋に発売する車両は、25トンの定格けん引力を持つ電動車。GPS(全地球測位システム)やLiDAR(ライダー)、路面パターンマッチングなどの自車位置測位技術を搭載し、あらかじめ決めたルートを自動走行する。構内など条件によっては無人運転も可能という。価格や販売台数は未定。