住友ゴム工業は、タイヤに装着するセンサーを、バッテリーレスで機能させる技術の開発に成功したと発表した。同社が関西大学の谷弘嗣教授と共同で開発した技術で、タイヤセンシングでのセンサーデバイスの電池寿命問題の解決につながる可能性がある。

 正極と負極の帯電フィルムを内蔵した発電デバイスをタイヤの内側に取り付けタイヤが路面に接地した際、変形して発電、電源制御回路へ充電して外部センサーに給電・動作させる仕組み。今回、充電機能を追加したことで、バッテリーを使用せずにタイヤ周辺に取り付けるセンサーに電力を供給する。

 検証テストでは、タイヤ速度が時速50キロメートルで発電量800マイクロワット以上を確認した。外部センサーを起動してブルートゥースローエナジーでの連続通信を実現したとしている。摩擦帯電構造の採用と、材料の見直しによって発電能力も向上した。

 同社では、タイヤをセンサーとして活用するソリューションサービスの提供を推進しており、タイヤの内側に静電気を利用した発電デバイスを取り付けて、タイヤの回転によって電力を発生させる技術を開発してきた。