愛知県は自動運転の実用化を目指し、中部国際空港(愛知県常滑市)で小型自動運転バスの実証事業を行った。

 実証事業はNTTドコモと名古屋鉄道、名鉄バス、愛知製鋼が受け持ち、群馬大学や日本モビリティ、あいおいニッセイ同和損保などが協力した。日野自動車「ポンチョ」をベースとした車両で、遠隔監視のもとに自動運転を行った。GPS(全地球測位システム)を受けにくい場所には愛知製鋼製の磁気マーカーを路面に敷設し、安定して走れるようにした。また、車内カメラ映像から人工知能(AI)が乗客の忘れ物を検知したりする工夫も盛り込んだ。

 愛知製鋼の磁気マーカーシステムは、独自技術で金属の結晶構造を崩した「アモルファスワイヤ」を応用した磁気センサーを使う。センサーの感度が高いため、路面に敷設する磁石のコストが安くて済むことが特徴だ。同社は国内外の実証事業にシステムを提供しており、来年中に事業化する方針を公表している。