リモートワークを行ったスタッフの8割が継続を要望―。IT、ものづくりの人材派遣を手掛けるパーソルテクノロジースタッフ(正木慎二社長、東京都新宿区)は20日、派遣エンジニアでリモートワークで働く136人を対象にしたアンケートの結果を公表した。このうち、83%が初めてリモートワークを経験し、「とても快適」と「やや快適」を合わせた回答が65%に上った。今後の継続要望では「とても思う」と「やや思う」が合計で82%だった。一方で、開始後に困ったことが「ある」も87%を占め、コミュニケーションや自宅環境の整備、運動不足などの課題も分かった。

 調査は4月27日~5月11日の期間に実施した。調査対象は派遣先からリモートワークの要請を受け、在宅勤務するITエンジニア。普段からオンラインツール「zoom」などを使う職場が多いことから、指揮命令者とのやりとりを73%が「スムーズだった」と回答した。就業日が浅く、指揮命令者との関係ができていない場合「チャットツールで気軽に声をかけづらい」や「口頭で伝えていたこともメール文面を作成するので時間がかかる」などの声があった。

 指揮命令者とのやりとりは「1日に2回以上」が45%、「1日に1回程度」が32%となった。一方で、「2~3日に1回程度」は15%、「4~5日に1回程度」は7%となり、頻繁にコミュニケーションを図っていたことが分かった。

 開始前の課題として「メンバーや同僚とのコミュニケーション」を32・1%、「集中して業務できる職場環境」を27・7%が挙げた。初めてリモートワークで業務するスタッフが多く、自宅での業務遂行に戸惑いや懸念材料があることも明らかになった。実際に仕事をスタートしてからは「電気代、電話代などのコスト増」を35・8%、「運動不足による体調の支障」を31・4%が挙げた。日常業務を進めていく上で現実的な課題が浮き彫りになった。

 実施後の感想としてはおおむね高く評価している。効果として「コロナウイルス感染リスク低減」が83・2%、「今後の働き方の可能性を感じた」が67・2%、「精神的なストレス軽減」を42・3%が挙げている。毎日の通勤の必要がなくなり、心身両面でストレスを軽減できていることを示した。「集中して業務に取り組めた」が30・7%、「不要な会議が減った」が27・0%となり、生産性向上が実現できている。

 リモートワークでの業務をより良くするためには「レスポンスを早くする」が61・3%、「画面共有機能を使って分かりやすく伝える」が46・7%、「日頃より丁寧にコミュニケーションする」が44・5%だった。対面してのやりとりができない分だけ、通常以上の工夫や気遣いが必要になっている。

 リモートワークの成功には「就業先の上司、同僚らとの連携、コミュニケーション」が75・9%で最上位となった。続いて「自宅の作業環境」が67・2%、「就業先のリモート就業に向けた環境準備」が66・4%となった。多様な働き方を実現するリモートワークだが、事前準備や体制整備が求められていることも分かった。