トヨタ車体は6月27日、いなべ工場(三重県いなべ市)で生産する高級ミニバン「アルファード」「ヴェルファイア」を2027年末にトヨタ自動車の田原工場(愛知県田原市)に移管すると発表した。いなべ工場は、現在生産する商用バン「ハイエース」と、トヨタ車体が中心となって開発を進めている「次世代商用バン」を生産する商用車専用工場とする。

トヨタ車体は、富士松工場(愛知県刈谷市)で生産するアルファードとヴェルファイアをはじめ、「ノア」「ヴォクシー」も含めた乗用ミニバンの生産は継続する。いなべ工場は次世代商用バンの生産に向けて従業員が働きやすい環境を整えるなど、ものづくり改革を進める。

トヨタ車体は、18年にトヨタからバン事業を引き継ぎ、現行のノアやアルファードの企画・開発を主導した。次世代商用バンは用途によって定員や積載量、駆動形式、多様なパワートレインなどのニーズに対応する商用車専用の新たなプラットフォーム(車台)を採用する見通しだ。

新たにアルファードの生産を開始するトヨタの田原工場は現在、「LS」や「NX」などレクサス車をはじめ、「ランドクルーザー250」や海外向け「4ランナー」などフレーム車の生産を行っている。ミニバンはレクサスの「LM」を生産している。田原工場では、新たな生産技術を採り入れた次世代電気自動車(EV)の生産も検討している。