昔、師走のこの時期になると実家で正月飾りを出していた。毎年決まって飾るのは、ガラスケースに入った羽子板と破魔矢(はまや)・刀。ガラスケースを持ち上げるのが重労働なので、中学生のころには正月飾りが大嫌いになっていた。「壊れればもう飾らないだろう」と思って、中の羽子板や刀が倒れてガラスが割れることを願ったほどだ。しかし理由はわからないが、だんだん飾り…