ソフト99コーポレーションのMBO(経営陣が参加する買収)による株式の非公開化に向けたTOB(株式公開買い付け)をめぐり、旧村上ファンド出身者が設立した投資ファンドのエフィッシモ・キャピタル・マネージメントは10月29日、9月16日から実施しているソフト99への対抗TOBの期限を、10月29日から11月13日に延長すると発表した。1株4100円の買い付け価格は変更しない。

エフィッシモはTOB期間を延長する理由について、「株主にTOBに対する応募について、さらなる判断機会を提供し、TOBの成立可能性を高めるため」と説明している。

ソフト99のMBOに賛同する意思を示していた、第2位株主のキーパー技研が10月24日、エフィッシモの対抗TOBに応募すると発表。MBO成立は不透明な情勢となっていた。

市場では「エフィッシモは、こうした動きも考慮し、ソフト99の株主の判断を促す狙いもあるのでは」との声も上がっている。

ソフト99は、エフィッシモの対抗TOBに反対の意見を表明する一方で、TOB期限を10月31日に延長するとともに、買い付け価格を1株2465円から2680円に引き上げた。

とはいえ、両者のTOB価格には大きな差がある。キーパーがエフィッシモのTOBへ賛同した際の「企業価値の向上と株主共同の利益の観点から最善である」(キーパー)との判断も、この差が要因になっている。