プロテリアル(旧・日立金属)は9月9日、同社と子会社が手掛ける自動車鋳物事業と排出ガス用セラミックフィルター事業を米国の投資会社に譲渡すると発表した。自動車の電動化が進む中、内燃機関車に関連する事業は意思決定の迅速化が求められ、投資判断も難しくなっている。同社は、自動車関連企業の経営の経験と豊富な資金を持つ投資会社に事業譲渡することが最良の選択と判断した、としている。

2026年1月に譲渡する。投資会社に移管するのは同社の真岡工場(栃木県真岡市)、素材研究所(同)、プロテリアルマシナリー(同)、子会社の九州テクノメタル(福岡県苅田町)、Nam Yang Metals(ナムヤン・メタルズ、韓国)、HNV Castings(HNVキャスティングス、インド)、Effingham Machining & Assembly Components(エフィンガム・マシニング&アッセンブリ・コンポーネンツ、米イリノイ州)。主にダクタイル鋳鉄、耐熱鋳鋼、セラミックスハニカム担体などのエンジンや排気系に関連する自動車部品事業が対象となる。

譲渡する事業では、研究開発組織である素材研究所のほか、日本、韓国、米国、インドで4つの鋳造工場と機械加工工場を展開している。投資会社が新設する「未来キャスティングホールディングス」に事業を移管した後も現在のグローバルな事業体制は継続し、子会社の拠点や運営体制、雇用も維持するという。

事業を引き継ぐ新会社は、経営資源を効率的に配分・活用して市場ニーズに対応する製品ポートフォリオを構築する予定。材料開発や形状設計、製造プロセスなどの改善を図り、持続的な成長を図る、としている。