日本製鉄は、USスチールの買収に関するすべての訴訟や争議を終結したと発表した。米国鉄鋼メーカーのクリーブランド・クリフスや、全米鉄鋼労組(USW)のデビッド・マッコール会長などが買収を不当に阻止したとして損害賠償を求めていたが、訴えを取り下げた。

USスチールの買収では、今年1月にバイデン前大統領が買収を禁止する命令を出すなど、日鉄による買収を阻止する動きが相次いだ。これを受けて日鉄はバイデン前大統領と米国政府に買収の再審査を求めて提訴したが、6月に米国政府の承認を得てUSスチールの買収を完了した後、訴えを取り下げていた。

日鉄は今回、買収に反対していたUSWのマッコール会長に対する訴訟を取り下げた。また、USWが全米労働関係委員会に提出していたUSスチールによる不当労働行為の告発について、日鉄は撤回を求めていたが、これも取り下げた。

さらに日鉄は、USスチール買収に反対してきたライバルであるクリーブランドが、買収を不当に阻止する活動をしたとして損害賠償を求めて提訴していたが、訴えを取り下げた。これにより、USスチールの買収に関するすべての訴訟が終結したとしている。