日本製鉄は31日、買収したUSスチールの取締役会に米国籍の独立取締役3人を任命したと発表した。7人で構成するUSスチールの取締役会は過半を占める4人が米国籍となり、うち3人が独立取締役となる。米国政府からUSスチール買収を承認してもらうために締結した国家安全保障協定では、取締役の過半数を米国籍とすることになっていた。

 日鉄がUSスチールの独立取締役に任命したのは、AT&Tコミュニケーションズの元CEO(最高経営責任者)のジョン・M・ドノバン氏、ロッキード・マーチンの元会長のロバート・J・スティーブンス氏、ティモシー・J・キーティング元海軍大将の3人。

 USスチールのデイビッド・B・ブリット社長兼CEOは留任し、日鉄の森高弘副会長兼副社長、佐藤直樹副社長、大野寛常務執行役員がUSスチールの取締役を兼務する。森氏はUSスチールの会長も兼務する。

 ブリット社長は「新しいUSスチールの取締役会は米国の鉄鋼業、労働者、国家安全保障を守るという共通の使命を持つ非常に優れたリーダーで構成する」とコメントしている。