スバルが全面改良した新型「フォレスター」の受注台数が、受付開始から約1カ月半に当たる5月25日時点で月販目標(2400台)の6倍に迫る1万4千台を超えた。マイルドハイブリッド車(HV)を廃止し、新設定した2モーター式のHVの比率が8割とけん引した。予約受け付けを始めた4月は1万1466台。これまでの単月トップだった2代目「レガシィ」の1万4509台(1997年3月、次点は3代目レガシィ)には及ばなかったものの、3番手の水準をマーク。スバルの新たな主力モデルとして、国内市場での存在感が高まっている。
6代目となる新型フォレスターは、4月3日に先行予約を開始した。1カ月ではスバル車の単月の受注トップにはなれなかったものの、5月25日までに約1万4千台にまで積み上げ、かつて国内のスバル車の販売を支えていたレガシィに追い付いた格好だ。
新型フォレスターの好調な受注を支えているのがHVだ。同社はモデルライフ平均でHVの受注構成比を4割とみていた。しかし、これまでの受注をみるとHVが約8割となり、想定を大幅に上回るペースで推移している。販売店などによると、燃費性能と加速性能を両立している点や、ガソリン車との価格差を約15万円に抑えたことなどが顧客に支持されたようだ。
一方、懸念されるのは供給問題だ。想定と異なりHVの受注が伸びているため、電動ユニット部品の確保が難しくなり、すでに納期が延び始めているものも出ている。また、生産を担当する群馬製作所矢島工場(群馬県太田市)では8月から26年1月まで、1ラインを大規模改修する予定。フォレスターの生産にも影響が生じる懸念もあり、いかにスムーズな供給体制を敷けるかが課題となる。