追浜工場で生産する「ノート」
経営再建中の日産自動車が7工場の閉鎖を検討している問題で、国内では追浜工場(神奈川県横須賀市)と、子会社である日産車体の湘南工場(同県平塚市)が対象として浮上している。この2工場を閉鎖する方向で調整しているとの5月17日の一部報道について、日産は「憶測に基づくもので当社から発表した情報ではない」とのコメントを発表した。
国内の組み立て工場が閉鎖されれば、2001年に完成車生産を終えた村山工場(東京都武蔵村山市)以来となる。
追浜工場は、1961年に操業を開始。生産能力は年間約24万台で、現在は「ノート」「ノートオーラ」を生産する。隣接する総合研究所などを含めた従業員数は約3900人(24年10月末現在)。また、湘南工場の生産能力は年間約15万台だが、24年度の実績は2万5000台あまりにとどまった。商用バン「NV200バネット」と、今年11月に打ち切る「AD」を生産している。
海外では、南アフリカとメキシコの2工場が追加で対象となる可能性が報じられている。日産はすでに、ルノーのアルゼンチン工場への委託生産の終了や、同社と共同出資するインド工場の株式売却を公表している。
日産のイヴァン・エスピノーサ社長は、7工場の閉鎖について「社員やあらゆるステークホルダーに配慮して、慎重かつ丁寧に進める。非常に大きな痛みを伴う決定だが、我が社を将来に向けて救う唯一の方法だ」と話していた。