トヨタ自動車が、商用バン「ハイエース」の受注を約1年ぶりに再開したことが分かった。近く、一部改良により新法規に適合したモデルを投入する。ただ、受注可能台数はかなり少ないとみられ、一部の販売店からは「ハイエースは多くの法人客やリース車を抱えており、すべての希望客に行き届かない」との声が早くも出ている。
ハイエースは、豊田自動織機のエンジン認証不正が発覚した2024年1月に受注を停止。同年11月から義務化された新法規に対応した「25年モデル」を秋ごろ導入する予定だったが、認証不正の影響で適合開発が遅れ、受注停止状態が長らく続いていた。
25年モデルの投入にめどが立ち、このほど受注を開始した。ただ、今秋に投入を計画する「26年モデル」が控えており、25年モデルの受注枠は限定される見通しだ。
トヨタは、コロナ禍で顕在化した長納期問題の対策として、受注車両の納期を〝見える化〟する受発注システム「J―SLIM(スリム)」を導入した。ただ、トヨタは多くの車種で年次改良を行っており、人気車種は1年分の生産枠が早期に埋まってしまい、受注停止となるケースが目立つようになった。特に法人需要やリース利用が多いハイエースは代替需要が多く、供給が追い付かない状況が続いていた。