いすゞ自動車は29日、ピックアップトラックの電気自動車(EV)、「D―MAX(ディーマックス)EV」の生産を28日から始めたと発表した。タイのサムロン工場のEV専用ラインで生産する。まずはノルウェーで発売し、英国など向けの右ハンドル車の生産も今年末から始める予定。今後、タイや豪州市場への投入も検討している。

 同モデルは昨年3月、バンコク国際モーターショーで初公開した。容量66.9㌔㍗時のリチウムイオン電池を搭載し、最大出力140㌔㍗(約190馬力)、最大トルク325ニュートン㍍を発揮する。1充電当たりの航続可能距離は263㌔㍍(WLTPモード)。ディーゼル車の車体骨格を生かしつつ、新開発のeアクスルを用いてフルタイム四輪駆動とし、環境性能と悪路走破性を両立した。

 D―MAXはディーゼル車のほか、昨年11月にはタイ市場向けにマイルドHV(ハイブリッド車)も設定した。今後も各国の需要動向や環境規制に合わせ、多様なパワートレインを展開していく考えだ。