新工場のイメージ
いすゞ自動車は2月12日、米サウスカロライナ州に新工場を建設すると発表した。投資額は2億8000万ドル(約430億円)で、2027年の稼働を予定する。30年には年間5万台の生産能力を持たせる計画だ。新工場の建設にあたり、既存の生産拠点の再編も検討していく。
新工場では、米国とカナダ市場向けの「Nシリーズ(日本名=エルフ)」のガソリン車と電気自動車(EV)、「Fシリーズ(日本名=フォワード)」のディーゼル車を生産する。28年には700人超を雇用する。
同社初の「コンベアレス・ピットレス式生産」を導入し、ガソリン車からEVまで、変種変量生産に対応し、中長期的な増加が見込まれるEVへの移行もにらむ。検査工程などの自動化も進め、品質の担保や部品のトレーサビリティー(追跡性)を確保していく。
いすゞの新工場は、日米首脳会談でも石破茂首相が言及していた。
同社は「中期経営計画の重点地域の一つであり、想定される根強い需要に応えるもの。計画自体は昨年の大統領選の以前から進めていた」としている。2030年度までの中計では、世界販売計画85万台のうち、CV(商用車)が45万台で、そのうち北米で5万台を売る計画だ。
いすゞは現在、現地企業ビルトモアのミシガン州の工場に車両生産を委託している。同国で中小型に多いキャブオーバータイプのトラックではいすゞのシェアが高く、23年度は北米で4万4000台を販売した。
(2025/2/12更新)