日産自動車は4月24日、2025年3月期の通期連結業績見通しを下方修正し、当期純損益が従来の800億円の赤字から、7000~7500億円の赤字になると発表した。1990年代を含め、過去最大の赤字となる見込み。配当も無配とした。
日産では、仏ルノーが資本参加した直後である2000年3月期の最終損益6843億円が過去最大の赤字で、25年3月期はこれを上回ることになる。
新たな経営体制の下、北米や中南米、欧州、日本の工場などの資産価値を24年度末時点で見直したことが、約5000億円の赤字要因となった。日産は26年度までの事業再生計画「ターンアラウンド」で年間販売台数を350万台規模へと下げており、生産能力の引き下げが資産価値の低下につながった。従業員のリストラに伴う退職金など、構造改革費用も600億円超を見込む。
日産は、自動車事業の手元資金が2兆2000億円あり、ネットキャッシュ(手元資金から有利子負債を差し引いた額)は1兆4980億円を見込む。販売金融会社への貸付金と合わせ、3兆4000億円の流動性を維持しているとする。
イヴァン・エスピノーサ社長兼CEO(最高経営責任者)は「当社には潤沢な財務基盤と強力な商品ラインアップがある。今後も強い意志を持って、日産の再建に取り組む」としている。
(2025/4/24更新)